2021年も半分の6月です!
メーカーさんの広告解禁(?)によりこれまでの閉塞感が少し緩和されてきたかな、と感じます。
とはいっても活気があるのはメーカーさんが力を入れているビッグタイトル機種だけであり、その効果がお店の営業に波及しているとは思えないところがなかなか難しいところです。(まあ、これからに期待、かな。)
さて、上記のようにメーカーさん気合のビッグタイトルが登場しても、必ずしもお客様や業界全体が活気づくとは言えない今の時代、新台導入に過度の期待は持てないというのは衆目の一致するところだと思います。
そこで考えるのは「自店の魅力を創り出して、機種に頼らない営業を」となり、「差別化、独自性の打ち出し」に活路を見出そうといろいろなことを模索することになります。
しかし「差別化」というものは「強み」とセットでなければ何の意味もないんです。
「良い部分」でアピールするからお客さまが振り向くのであって、弱い部分で他店との違いを生み出しても「ダメさ」が際立つだけです。
こうしたことをしっかりと考えずに安易に「違い」を強調してはむしろ業績は悪化していきますからね。
よく見かける「他店との違いアピール」に「4円パチンコ推し」があります。もちろん4円パチンコの稼働が好調ならば何の問題もないのですが、一般的な大多数のお店は今、4円パチンコの稼働低迷に苦しんでいるはずです。
最近新しい依頼で訪問したお店がやはり上記「4円パチンコ推し」を行っていました。加えて、あえて射幸性を前面に出して低貸玉はホントにごく少台数。
なぜ4円パチンコ推しを始めたのかと聞けば「競合店の力を入れていない部門、スキマを狙った」とのことでした(周辺は20円パチスロが強い店、1円パチンコが強い店、大型店舗などに囲まれていた)。
もちろんお店の思惑とは違い自店の稼働はかなりの低迷です。
私は、
・差別化と強みはセットであること
・プロダクトアウトとマーケットインの違い
・ポジショニング戦略による自店の立ち位置からの最適な戦術(=フォロワー)
の話をして再考を促しました。
上記3つのことは「当たり前のこと」と映るかもしれませんが、このお店では「集団浅慮、グループシンク」が働いていたと思われます。
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集団浅慮(グループシンク):集団で何かの合意形成をするに当たって、意見や結論に対して正しいのかやリスクなどを適切に判断・評価されることなく愚かな決定をしてしまうこと。
アービング・ジャニスという心理学者が提唱したもので、集団であるがために「三人寄れば文殊の知恵」の全く逆の効果となってしまうことを指している。
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どの業界、業種業態でも「王道、基本」が一番重要です。「奇手」は「奇手」でしかなく、当たり前のことを当たり前に実行することが、時間がかかるかもしれませんが一番の近道になります。「差別化」の前に「市場のニーズ」で考えるようにしてください。